fullyGOTO 2019年 春号
表紙の顔 高浪 洋人さん
今回春号の表紙を飾ってくれたのは、高浪洋人(ひろと)さん。
新上五島町のケーキ屋さん「菓子の木」のパティシエであり、イケメン看板ボーイ。
白のパンツがよく似合う長身でスレンダーなモデル体形でありながら、小鹿のような瞳がどこか幼さも感じさせる魅力的な男性です。さぞかしモテるかと思いきや、現在恋人募集中とのこと。
天職のケーキ職人と出会うまでの道のりは?
小さいときから料理を作るのが好きでした。自分で食べるより食べて美味しいと言ってもらうのが好きで、料理人の道に進みたいとも考えましたが、安定した職業を求め、1度は別の道を目指していました。
でもその道は自分には向いてないと気づき、辞めることを決意。帰郷しすぐにこのお店の面接を受けたのですがその時はご縁がなく、1年間スーパーの鮮魚コーナーで働きました。1年後スーパーを辞めるタイミングで菓子の木の店長に声をかけていただき、念願の職人の道に進むことができました。
ケーキ職人になってどうですか?
自分はやはりモノづくりが好きで、自分の作ったものが人を笑顔にし、美味しいと言ってもらえることで自分も幸せな気持ちになるこの仕事が本当に楽しいです。
お祝いにつきもののケーキ作りは、人を笑顔にする仕事。自分の天職だと実感しています。
お休みの日は何をしていますか?
同級生も殆ど島外に出ていますし、休みが平日なのもあって、あまり外出はせず家で過ごすことが多いです。部屋の掃除をしたり、一緒に住んでいる祖母の外出のお供をしたりしています(笑)
応援企業 菓子の木様
新上五島町、有川の中心地にほど近い、住宅街に建つ手作りケーキのお店「菓子の木」は創業32年。
店長の川崎正治さんが大阪で修業をしたのち帰郷、一代で築きました。有川内で3度の移転をし、今の場所に落ち着いて丸5年、今年6年目を迎えます。お店のモットーは「大きくて、安くて、美味しい」こと。
店頭に並ぶ商品ラインナップの9割以上は創業当時から変わらないというから驚きです。
商品のレシピとお店のモットーは修行先の社長から受け継いだもの。今は小さくて高価なケーキ店も多い中、この味と大きさは創業当時のまま。中でも一番のおすすめは「スフレチーズケーキ」。いただいてみましたがほんとに大きくてびっくり。お値段も370円(税抜)とお財布にも優しいのです。味は言うまでもありません。ほかにもモンブラン、ショートケーキ、シュークリームなど定番商品があり、この4種類が美味しいお店は間違いないと店長は言います。
地域のおじいちゃんおばあちゃんがなつかしがって買ってくれたり、最近では観光のお客様が「大きいですね?」と買っていかれることも増えたそう。
店長が30年以上やって分かってきたこと、それは、良いものは一周回ってもまた選ばれること。「儲けてビルを建てようなどとは思いません、ただ地域に愛されるケーキ屋としてとにかく長く続けていけたら」今後も庶民的な味としてリピートして食べたいケーキを作り続けたいと、穏やかな笑顔で話してくれました。
※お店の営業時間は10時~18時まで。
(ケーキがなくなり次第閉店する場合もございます)定休日なし
バースデーケーキ等のオーダーメイドも承っています。注文は基本前日まで。
ホールケーキのデコレーションでキャラクターの依頼がある時は看板ボーイの高浪さんが腕をふるいます。「彼には絵心もあり、美的センスもあるので、彼に任せています」と店長。
創業当時から続くお店の味を惜しみなく教え、それに答えていく若者。
後継者問題が深刻な今の時代に、こんな素敵な関係を築けている菓子の木さん。店長のお人柄がうかがえます。
彼の働きぶりはいかがですか?
まだ就職して1年ですが、ほんとに覚えが早いし才能があると感じています。お店で出している商品の殆どを作ることができますし、任せられることが多くとても助かっています。
仕事に向かう姿勢や、なによりフィーリングが合いますし、一緒に仕事がしやすく、とても教え甲斐があります。直感でこの子いいかなと思ったのは、間違いではなかった。まさに運命的な出会いだと思っています。
今後彼に期待することは?
若者ならではの自由な発想とアイデアで新しいものも生み出しつつ、先代の味や大事なものは継承していってほしいですね。地域の為になるような仕事、地域に愛される仕事を続けて行ってほしいと思っています。
fullyGOTO2019春号掲載
【取材・執筆・掲載】fully編集部