五島列島を満喫するフリーマガジン「fullyGOTO」と地元在住のライターチーム「fumoto」が取材した記事を発信する、情報サイト

五島ではたらく若者応援 fullyGOTO2022冬号 表紙の顔

fullyGOTO2022冬号 表紙の顔 長江 夢果さん

今回表紙を飾ってくれたのは、長江 夢果(ながえ ゆめか)さん、18歳。通信制の学校に通う現役女子高生です。生まれ育った上五島の一番好きな場所は、冬の蛤浜。夏とは違った美しさを感じるそう。将来はファッションに関わる仕事がしたい。そしていつか上五島に洋服屋さんをオープンするのが夢。そんな夢果さんに、いろんなお話を伺いました。

しっかり者の10代

夢果さんは現在18歳。一般的には昼間学校に通い勉強や部活に打ち込み、週末は趣味や遊びに時間を使うであろう年齢。しかし彼女の日常は全く違います。夢果さんが1日フリーなのは週に1日のみ。それ以外は毎日勉強とバイトの日々。飲食店のバイトをふたつ掛け持ちし、昼夜バイトの日もあります。そう聞くと一見大変そうに思えますが、彼女はよく話し、よく笑い、とても幸せそう。「通信制の高校はお金がかかるし、卒業後は専門学校に進むので、少しでも両親の負担を軽くしたいと頑張っています。夢のためなので全く嫌ではないし、むしろ人生勉強になっています。職場の環境もとてもよく、毎日楽しく働かせてもらっています。」本当に18歳?と疑うほど、考え方がしっかりして気遣いもあり、すでにアイデンティティが確立しているように感じます。

人生は何が起こるか分からない

夢果さんは現在高校3年生ですが、一度は上五島の全日制の高校に入学しました。しかし1年生のある日突然体調が悪くなり、数日休んだことをきっかけに、その後学校に行けなくなってしまいます。病院に行っても特に体に悪いところはなく、「行きたいのに行けない」自分の身に起こっている事が理解できないまま、不登校の日々が続きました。その後両親ともよく話し合い、休学ではなく通信制に変更することを決意。高校2年の夏でした。今は月に2回、長崎に通学する以外は、自宅で学習しています。「思いがけないことでしたが、今の形態が自分には合っていたんだと思います。あの時、私の気持ちを尊重してくれた両親には本当に感謝しています。」

現在の暮らし

休日は近所に住んでいる6歳と2歳の従兄弟と遊ぶのが定番。「保育士の道も考えたほどの子ども好きで、何時間でも遊んでいられます。しばらく合わないとロスになるほど私の癒しの存在です。」趣味はファッションと音楽と読書。「通学で長崎に行った時は、お気に入りの古着屋さんにいつも立ち寄っています。可愛い服はテンションを上げてくれます。将来はそんなワクワクをたくさんの人に届ける仕事をしたいなぁと思っています。音楽は、基本古い曲が好きで、父がよく聞いていた『ブルーハーツ』が特に好きです。読書は、人生論などの自己啓発系が好み。本を読むことで、自分を肯定できるようになり、すぐに考え込む性格も、短所ではなく長所だと捉えられるようになりました。」

今後の計画

高校を卒業したら、福岡の服飾専門学校に進むことが決まっているという夢果さん。「今年の夏くらいまでは卒業後は地元で就職するつもりだったんです。でも卒業が近づくにつれ、自分は本当は何がしたいのか、自分らしさとは?など、考え込むうちに、心のすみにあった気持ちに気づいてしまって。両親にはまた負担をかけてしまうことにはなりますが、私が自分らしく幸せに生きることが、両親や周りの人たちへの恩返しにもなるのかなと、今は思っています。そしていつか上五島に戻って洋服屋さんをオープンして、できればブランドも立ち上げたいと思っています。専門学校のオープンキャンパスにも一人で行き、だいぶ度胸もつきました。この先も困難なことが待っているとは思いますが、持ち前のチャレンジ精神で乗り切って行きたいと思っています。」 今の時代、「やりたいことがない」「自分は何をしていいか分からない」そんな若者が増えているとよく聞きます。夢果さんのように夢や目標を明確に持ち、それを叶えるための道筋も自分で考え、また周りの人への感謝や愛情に溢れた若者に出会えたことに嬉しさを感じました。名前の通り、夢を果たすことができるよう、頑張ってください。応援しています!

【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2022冬号

 

fullyGOTO 特集記事

POPULAR TOPICS /人気の記事

1,160ファンいいね

最新記事

fullyGOTOについて

記事提供実績