fullyGOTO2023春号 表紙の顔 草刈 果椰さん
今回表紙を飾ってくれたのは、草刈果椰 (くさかりかや )さん 23歳。 東京都出身で、大浜にオープンしたホテル「カラリト五島列島」を経営する株式会社カラリトへの就職を期に、去年の夏福江島に移住しました。 明るい笑顔が素敵で、コミュニケーションがとても上手な彼女は、 職場ではアクティビティを担当。宿泊された方に偶発的な出会いと体験を提供できるよう、試行錯誤し楽しみながら五島生活を送る草刈さんにお話を伺いました。
就職を期に初めて五島へ
草刈さんは、生まれも育ちも東京。「ずっと都会に住んでいて、どこか違う環境の場所に住みたいと思い始めて。実は最初は、五島の場所すら知らなかったんです。」美術系の大学に通い、モノづくりが好きだったこともあり、就職活動中に今の職場のアクテビティを作る部門を発見。「飲食店のアルバイトをしていた経験もあり、接客も好きで。何より、『誰もが自分らしく、晴れやかな生き方を選択できる社会の実現』というメッセージにも惹かれ、ここだ!と。」一緒に実現したい、という熱い思いを伝え、見事就職。これを期に初めて五島にやって来ました。
「無いものは作る」という島の人の魅力
「東京にいると、モノに溢れていて。選ぶものも多くて、とても便利でありがたいことですが、同時に疲れのようなものも感じていました。なので島に来て、あるものは限られているけど、それで十分だなということと、むしろとても心地が良いということに気がつきました。何より素敵だと思ったのは、ここの人は『無いものは自分で作る』という方が結構いること。都会では、なかったら買う、が当たり前だったので、本当にすごいなと思います。モノづくりが好きな自分としては、憧れでもあります。」今回の移住で初めて実家を出た草刈さん。最初のシェアハウスを経て、現在は初めての一人暮らしを始めたそうで、「無いものは作る」を実践するために、テーブルのDIYを計画しているそう。
何度も足を運ぶ大瀬埼灯台
五島で好きな場所を尋ねると挙がったのが大瀬埼灯台。灯台のある先まで何度も行ったことがあるそう。「五島に来てすぐの頃は、夏だったこともありSUPの体験も多く、一日中海に入っていたりしたので、お休みの日は疲れて家から出ず全くどこも行けてなくて。でも、仕事内容的にも、もっと島の事を知らないといけないなと、少しずつ休みの日は島内を周るようになりました。中でも好きな場所は大瀬崎。友人もたくさん遊びに来てくれるので、結構灯台までおりています。」
偶発的な出会いと体験
仕事はアクティビティ担当。夏はホテル目の前にある大浜の海でのSUPをしたり、冬はテントサウナをしたりと、地の利を活かしたアクティビティを行っています。「比較的大きなホテルではありながらも、お客様としっかりコミュニケーションが取れる場所を目指していて。こちらから、こんなプランがあります、という提示ではなく、『何するかまだ決めてなくて』という声に対して『よければ一緒にSUPしませんか?』とお誘いしたり。雨が降ってしまって、どうしようとお困りの方と、椿油の石鹸作りをしたり。予定はしてなかったけれど、なんだか楽しい時間が過ごせたなと思っていただける、偶発的な出会いや体験をしてもらえたらと思っています。」旅の中で、予定外のものは意外と記憶に残ったりするもの。そして、人との出会いはもっと思い出に残るもの。「アットホームな場所にしたい」と語る草刈さん。彼女と話すほど、旅で来た方も、そこで働く人たちも、日々の何気ない出来事が素敵な思い出になっていく、そんなイメージが沸きました。
【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOT2023春号