芸術の秋。と言っても、島に暮らしていると芸術やアートに触れられる機会はあまりありません。
昔、小値賀島には「布袋座」という劇場があり、神楽やお芝居などの興行が打たれ島の人々の文化芸術や娯楽の拠り所となっていましたが、現在では建物さえ無くなってしまっています。今では、そもそも芸術とは何か?よくわからない、なんて言われることもしょっちゅうです。
だからこそ島で芸術やアートに触れる機会をつくろう、文化・芸術の観点からまちづくりを考えてみよう、と4年前に「布袋座二〇一九」という有志団体として立ち上がりました。 「アーティスト・イン・アイランド」という事業に力を入れていて、毎年、島外のアーティストに滞在して頂き、島民と交流しながら作品制作等を行って頂いています。
島の海はきれいです。
何もなくてもそれだけで幸せを感じることがあります。心が動かされたならばそれはそれでアートなのかもしれません。
でも、日々晴れやかにハッピーに過ごせることばかりではもちろんなく、暮らしていれば悲喜こもごも様々なことが起こるものです。
気にも留めていなかったものに美しさを見出す。つくることや感じることでより広く深い世界とのつながりを知る。零れてしまっていたものの置き場所みたいなものを見つけられたりする。それが芸術やアートの良さだと思います。
アーティストと会話したり、作品を鑑賞したり、または一緒に何かをつくることで、ここに暮らしているひとも訪れるひとも、小値賀島で自分なりのアートをみつけて頂きたいです。
【掲載先】fullyGOTO2022冬号