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五島を知る 布袋座【小値賀町】

昭和35年頃の布袋座

現在、人口約2300人の小値賀町。最盛期には1万人以上も暮らしていたといいます。

 明治40年、小値賀町には800人が収容できる廻り舞台付きの大劇場「布袋座」がありました。有志の出資で立てられた木造二階建ての建物で一階は中央に枡席、一階の脇と二階には椅子席と、福岡県飯塚市にある「嘉穂劇場」にとても似ているそうです。

 当時、娯楽や大人数が収容できる施設がなかった小値賀の文化拠点となり、歌舞伎、芝居、サーカス、映画などの興行や小学校の学芸会、住民の演劇会、成人式等が催された劇場で多くの町民から親しまれていました。

「布袋座二〇一九」のイベントの様子

 年配の町民の方々は布袋座について今でもよく覚えており、それぞれ思い出があるようで「布袋座で学芸会をした、桃太郎を演じた」「布袋座の中には売店もあり駄菓子も売っていた」「建物がギシギシいっていた」「水芸で扇子から水が出ていた様子を覚えている」など興味深いエピソードを聞くことができます。今でも夢に出てくるとおっしゃっていた方もおりました。

布袋座で行われた歌舞伎のチラシ

 そんな小値賀町の最盛期を共に歩み、文化振興に大いに貢献してきた劇場・布袋座ですが、高度経済成長期の影響もあったのか、時代の趨勢と建物の老朽化により、昭和40年代に解体されました。

現在も小値賀町に残っていたら、どんなに素晴らしい場所だったでしょう。

布袋座で行われた小値賀中学校の文化祭プログラム活版印刷で刷られている

 文化の光を小値賀に灯し続けたい。

「布袋座二〇一九」は当時の活気を懐かしみ、現代版・布袋座として2019年に小値賀町の文化振興に貢献していく団体として発足しました。小値賀町の文化振興のためにやりたいことやアイデアを実現する場として活動しておりますので、応援のほどよろしくお願いいたします。仲間も随時募集中です!

【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2022夏号

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